茂田です。
「PHPに問題が見つかった」
「PHPのメンテナンスを実施します」
こうしたお知らせを見て、「そもそもPHPって何?」「自分のホームページにも関係あるの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
PHPは、WordPressのホームページを動かすために使われているプログラミング言語です。
自分でプログラムを書いていなくても、WordPressを使っている方には関係があります。今回は、PHPの役割と、問題が見つかったときに確認することを、専門用語をなるべく使わずに説明します。
PHPとは?ホームページの裏側で働くプログラミング言語
まず、プログラミング言語とは、コンピューターに「何を、どの順番で処理するか」を指示するための言葉です。
人間同士なら「この記事を表示してください」と伝えれば済みますが、コンピューターには、決められた書き方で指示を出す必要があります。そのために使うのがプログラミング言語です。
PHPも、その一つです。特に、ホームページの裏側で情報を処理する用途で使われています。
例えば、WordPressで記事のページを開くと、サーバー側でプログラムが動き、保存されている記事などの情報を取り出して、ブラウザーに表示するページを作ります。PHPは、その処理を担っています。
イメージとしては、ホームページをお店に例えたときの「厨房」です。お客様からは直接見えなくても、注文に応じて料理を用意するように、表示する内容を裏側で準備しています。
PHPとWordPressは何が違う?
WordPressは、記事の投稿やホームページの管理ができる仕組みです。PHPは、そのWordPressを動かすために使われている言語です。
普段、管理画面から文章を書いたり、写真を追加したりするときに、PHPを意識する必要はほとんどありません。
ただし、「意識しなくても使えること」と「管理しなくてもよいこと」は別です。
WordPress本体、テーマ、プラグインに更新があるように、サーバーで動いているPHPにも更新があります。WordPressの更新だけで、PHPの更新まで済むとは限りません。
「PHPの問題」とは?不具合とセキュリティの問題は違う
「PHPの問題」という言葉には、いくつかの意味があります。
プログラムや組み合わせによる不具合
一つは、プログラムや組み合わせによる不具合です。例えば、PHPのバージョンを変更したあと、古いプラグインが対応できず、ページが表示されなくなる場合があります。
セキュリティ上の弱点
もう一つは、セキュリティ上の弱点です。この弱点を「脆弱性」と呼びます。
建物に例えるなら、鍵や窓に、防犯上の欠点が見つかった状態です。その弱点を悪用されると、不正な操作や情報流出などにつながるおそれがあります。
ただし、「PHPに問題が見つかった」という知らせだけで、自分のサイトがすでに被害を受けたとは判断できません。使用している環境と、修正への対応状況を確認する必要があります。
2026年10月21日に公開されたPHPの修正について
2026年10月21日、PHPの開発元は、外部から不正なプログラムを実行されるおそれのある、重大な脆弱性2件の修正版を公開しました。
公開された修正版は、次のとおりです。
- PHP 8.2.35
- PHP 8.3.36
- PHP 8.4.27
- PHP 8.5.12
開発元は、速やかな更新を強く呼びかけています。
ここで注意したいのは、「PHP 8.3を使っている」といった大まかな番号だけでは、今回の修正が適用されているか判断できないことです。
また、サーバー会社などが、独自の提供パッケージに修正を取り込んでいる場合もあります。表示されている番号に加えて、利用しているサーバー会社の公式案内を確認してください。
この記事の修正版の情報は、2026年10月22日時点のものです。今後、追加の修正版が公開される可能性もあるため、最新情報は PHP公式の発表とサーバー会社のお知らせで確認してください。
PHPのパッチとは?問題を直すための修正
パッチとは、ソフトウェアの不具合やセキュリティ上の弱点を直すための修正です。
「PHPのパッチを適用する」とは、PHPに見つかった問題を修正することです。利用者にとっては、修正が含まれたPHPや、サーバー会社が提供する更新を適用する形になることが多いでしょう。
建物でいえば、見つかった不具合を補修するようなものです。
ただし、WordPressの記事編集画面から、文章を直すように適用できるものではありません。レンタルサーバーを使っている場合は、まずサーバー会社の対応内容を確認します。
PHPのメンテナンスでは何をしている?
PHPのメンテナンスでは、修正版への更新や設定変更、更新後の動作確認などが行われます。
作業内容によっては、ホームページが一時的に見られなくなることもあります。ただし、すべてのPHP更新でサイトが停止するわけではありません。
また、サーバー会社から「メンテナンス完了」と案内があっても、対象となるサーバーや契約、利用者側の操作の有無は確認してください。
お知らせを読むときは、次の3点を見ると判断しやすくなります。
- 自分の契約が対象か
- 利用者側で何か操作が必要か
- 対応が完了したか
WordPress利用者が確認すること
1.サーバー会社の公式案内を確認する
最初に、契約しているサーバー会社の公式サイトや、管理画面のお知らせを確認してください。今回のPHPの問題について、対応状況と利用者への案内を探します。
2.PHPのバージョンを確認する
次に、自分のWordPressで使われているPHPのバージョンを確認します。
管理画面で、次の順番に開いてください。
- 「ツール」を開く
- 「サイトヘルス」を開く
- 「情報」を選ぶ
- 「サーバー」を開く
- 「PHPバージョン」を確認する
番号を確認したら、サーバー会社の案内と照らし合わせて、今回の修正が適用されているか確認します。
3.自分で変更する場合はバックアップと対応状況を確認する
自分でPHPのバージョンを変更する場合は、事前にファイルとデータベースのバックアップを取り、WordPress本体、テーマ、プラグインの対応状況を確認します。
可能であれば、テスト環境で動作を確かめてから変更してください。
変更後は、トップページだけでなく、記事、管理画面、お問い合わせフォームなど、実際に使う機能も確認します。
詳しい手順は、 WordPress公式のPHP更新ガイドでも案内されています。
「普通に表示されている」だけでは安全か分からない
ホームページがいつもどおり表示されていると、「自分のところは大丈夫」と思いやすいものです。
しかし、画面が正常に表示されることと、セキュリティ上の修正が済んでいることは、同じではありません。
会社のホームページ、入居者募集サイト、不動産投資のブログなど、WordPressを仕事に使っている方は、サーバー会社のお知らせを一度確認してください。
PHPのプログラムを書けるようになる必要はありません。まずは、自分のホームページがどのサーバーで動いていて、今回の対応が済んでいるのかを確認することが大切です。
分からない場合は、サーバー会社やホームページの管理担当者に、「10月21日に公開されたPHPの脆弱性修正は、私のサイトの環境に適用されていますか」と聞いてみてください。
